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鍵のかかった文芸誌

¥4,500 税込

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【内容】*版元サイトより

ゴーストライター、タレント、詩人、ゲームシナリオ作家、そして物流業社の職員。

多様な今を生きる人たちに、あけすけに拡散させるには繊細すぎるけれど、隠しておくには勿体ない、とっておきの小説や詩、漫画を寄せてもらい、鉄の鍵で閉じて本にしました。

【収録作品・寄稿者】

巻頭詩 黒川隆介

小説 『ロンドンペンギン』 神西亜樹
   『アイドルの教育係』 森 旭彦
   『謝るな』 関口 舞
漫画 『グッバイ・ローション』 ザ・花実
インタビュー 『なんでもない人』 田栗範昭 54歳

装丁    o-flat inc.
印刷    藤原印刷株式会社
製本    株式会社望月製本所

編集・発行 菊池拓哉

【装丁について】

本の中央を貫く鍵穴に、特注で制作したスズ合金の鍵を差し込むことで、外の世界から隔絶された物語の世界を表現しました。本を開く際には、鍵をくるりと回すと引き抜くことができ、外した鍵はスピンに巻き付ければ栞として機能します。

また、本文用紙には、収録されている作品ごとに異なる紙を使用。本文の文字組み、フォント、級数も、各作品で変化をつけ、物語の世界に最も適したデザインを追求しました。

本の背部分には、寒冷紗(かんれいしゃ)と呼ばれる、普段は製本の過程で見えない部分に使用されることの多いメッシュ状の布を使用し、製本後に一冊ずつ、職人がタイトルをシルクスクリーンで手刷りしています。

出自も作風も思想も異なる作家たちの紡ぐ物語が、それぞれ独立したレイアウトと紙によって具現化された文芸誌。

その雑多でバラバラな世界を貫き、束ねるのが、一本の鍵とひとつの鍵穴です。

【なぜ、鍵なのか。(本書編集後記より抜粋)】

満たされない心を言葉に変えて、世界に晒すことで安心したい私。

世間にそぐう自分であり続けるために自らを制御し、演じ続ける私。

昨日の正解が今日の不正解になるかもしれないこの世界に心もとなさを感じながら、かりそめの正解にしがみつくしかない私。

SNSによって言葉の拡散性が増し、隠れることよりも見つかることのほうが良しとされがちな現代にあって、私たちがありのままの私たちであり続ける余地は、思いのほか残されていないような気がします。

見知らぬ誰かから褒めてもらうことが明日の活力となることに気づいてしまった私たちは、いつからか自分を偽ってでも世界にコミットすることに慣れ切ってしまったのかもしれません。

それは、物語を紡ぎ、表現する小説家や漫画家、あるいはデザイナー、編集者も同様です。

だから私たちは、無制限に拡散するSNSとは対極に位置する箱として、紙の本を選びました。

世界におもねることなく、誰の目に支配されることもなく、私たちが「よい」と頷き合える物語と言葉だけを編み込んで、一冊の本に綴じることにしました。

この本に「鍵」をかけたのも、そんな私たちを取り巻く現状に対するささやかな抵抗と矛盾のためです。

ここに閉じ込めた物語をできれば多くの人に読んでもらいたいという欲求と、わからない人には永遠に届かなくたってかまわないという意地。そんな相反する衝動に突き動かされた私たちにとっては、「鍵を開けて・読む」というわずかばかりの障壁を乗り超えてくれるくらいの読者がちょうどいい。 そんなことを考えました。

ただひたすらに拡散と膨張を繰り返す外の世界とは一線を画した、閉じられた世界。その理想の世界を鍵という障壁によって実現したかったのです。

「鍵をかけて大切にしまっておきたい物語を書いてください」というお題のもとに、小説家と漫画家、そして詩人が、力を尽くした言葉を紡ぎました。ぜひ、鍵を開けて、とっておきの物語をご堪能下さい。

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