2023/07/19 22:47

芥川賞・直木賞の発表日に併せ、半年の間に刊行されたアンソロジーのなかでベスト作品を発表する「小声賞」。

2回(2022121日~2023531日刊行分が対象)の受賞作品が決定しました。

・『そして私たちの物語は世界の物語の一部となる
インド北東部女性作家アンソロジー』(国書刊行会)

おめでとうございます。

【内容紹介】*版元サイトより

バングラデシュ、ブータン、中国、ミャンマーに囲まれ、さまざまな文化や慣習が隣り合うヒマラヤの辺境。

きわ立ってユニークなインド北東部から届いた、むかし霊たちが存在した頃のように語られる現代の寓話。

女性たちが、物語の力をとり戻し、自分たちの物語を語りはじめる。

本邦初のインド北東部女性作家アンソロジー。

【店主より一言】

近年、女性が声を上げる機会が増えている。本当だろうか?
声は昔からずっとそこに在ったのではないか?気づかないふりをしていただけで。

物語には力がある。物語だからこそ伝えることができることもある。

彼女たちの言葉が世界に届いた瞬間、世界は彼女たちを認知した。
彼女たちの物語が世界に内包された瞬間から世界は変わらずにはいられない。

私たちは今、物語を通して現実の彼女たちの存在を目撃した。
目撃者となった今、私たちは何をすることができるのだろう。

フィクションとノンフィクションの垣根を越え、彼女たちは語りかけてくる。
彼女たちの現実を知った今、私たちはどのように生きていくのか。

彼女たちの小さな声に寄り添い、丁寧に拾い上げ、一冊の本に仕上げた意欲作。

まずは知ることから始めよう。